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世田谷美術館
世田谷美術館
〒157-0075 東京都世田谷区砧公園1-2
tel:03-3415-6011


Art Nouveau et Industrie du luxe à paris

「オルセー美術館 パリのアール・ヌーヴォー
―19世紀末の華麗な技と工芸―
アール・ヌーヴォーが花開いた1900年に、パリ万国博覧会の開催に合わせて完成したオルセー駅。
この駅舎を改装し、19世紀美術の殿堂として今日公開されているのがオルセー美術館です。

会期: 2009 9/12(土)〜11/29(日) 展覧会は終了しました。
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝・休日の場合は開館、翌日休館 ただし9月15日―9月27日は無休)
開館時間:10:00〜18:00 (入場は閉館の30分前まで)
会場:世田谷美術館 1階企画展示室

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オルセー美術館「パリのアール・ヌーヴォー」
会場入口
(Reception)

「アール・ヌーヴォー」は19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に一世を風靡した装飾様式です。

展覧会の構成

本展はオルセー美術館の誇るアール・ヌーヴォー・コレクションから代表的名品約150点を選りすぐって展示紹介します。サロン、ダイニング・ルーム、書斎、貴婦人の部屋へと続く空間に、アール・ヌーヴォー様式の家具、工芸、装飾品などが配され、あたかもパリの豪華な邸宅に招かれたような体験となることでしょう。

T サロン

T サロン:Le salon
邸宅の扉がひらかれ、玄関ホールをぬけて、まずお客様を迎えるのがサロンです。このコーナーではふたつの優美なフロア・スタンドがお客様を迎えます。ともに日本美術の影響の濃いジャポニスムの作品であり、どちらも水辺の植物をモチーフとし、その葉陰にトンボやかたつむり、カマキリムシなど今にも動き出しそうな生きものたちが潜んでいます。
エミール・ガレ 《ゲーム・テーブル》 1902―1904年頃
© Musée d’Orsay, Dist RMN - © Patrice Schmidt/distributed by DNPartcom
フランス・作者不詳 《フロア・スタンド 葦と蜻蛉の装飾》 1900年頃
© Musée d’Orsay, Dist RMN - © Patrice Schmidt/distributed by DNPartcom


U ダイニング・ルーム

U ダイニング・ルーム:La salle à mange
ダイニング・ルームは、社交の場として大変重要であり、邸宅の中のパブリック・スペースとして大きな空間を占めるものでした。堂々としたダイニング・セット、シャンデリア、暖炉、そして壁面はパネル形式の絵画で装飾されることもあったようです。本展でもこのダイニング・ルームが最初のメイン・コーナーとなります。その中心となるダイニング・セットは、食器台、食卓、2脚の肘掛け椅子と5脚の椅子、そして花を飾るための2台の小道具からなっており、アール・ヌーヴォー博ともいわれた1900年パリ万国博覧会に出品され、高い評価をうけました。
ベロル兄弟社 《ダイニング・ルーム用家具》 1900年
© Musée d’Orsay, Dist RMN - © Patrice Schmidt/distributed by DNPartcom


V 書斎

V 書斎:Le bureau
サロン、ダイニング・ルームが表向きの公的空間であるのに対して、書斎はあくまでも屋敷の主人の個人的な空間であり、その個性が一層色濃く反映される空間といえるでしょう。このコーナーではオルセーが自館のアール・ヌーヴォー・コレクションを代表するもののひとつとする、ルイ・マジョレルのテーブル・ランプと書斎机を展示。マジョレルは、ガレと並びナンシー派と呼ばれ、アール・ヌーヴォーを代表するデザイナーです。
ルイ・マジョレル 《書斎机“蘭”》 1903-1905年頃
© RMN (Musée d’Orsay) / Jean Schormans /distributed by DNPartcom


W エクトル・ギマール (建築家、装飾家) Hector GUIMARD(1867-1942)

パリのアール・ヌーヴォーといえば、誰しも、メトロの入り口を思い浮かべます。1900年パリ万博に合わせてギマールは、地下鉄の入り口のデザインを依頼される。ギマールは、フランスのアール・ヌーヴォーを代表する建築家であると同時に優れたインテリア・デザイナーでもありました。このコーナーでは、ギマールのデザインによる家具などをご紹介します。


X 貴婦人の部屋

X 貴婦人の部屋:Univers Féminin
書斎が男性的な空間とすれば、女性の部屋はまったく異なる趣をもつものとなるでしょう。アール・ヌーヴォーの時期、デザインにおける女性的感性の重要性は非常に高まり、優美であること、繊細にして華麗であることが19世紀末から20世紀初頭のこの時代のデザインの基本原理であることは、言をまちません。本展のふたつめのメイン・コーナーとなるこのコーナーでは、親密な空間で貴婦人たちの世界をご紹介します。


Y サラ・ベルナール (国際的大女優) Sarah BERNHARDT(1844-1923)

世紀末パリを象徴する人物として、高級娼婦の家に生まれながらも、個性的な美しさと果敢な演技力の大女優サラ・ベルナールは、文豪ヴィクトル・ユゴー、作家マルセル・プルーストをはじめ、当時の数多くの文化人たちを魅了した。また、画家アルフォンス・ミュシャによる彼女のポスターは、アール・ヌーヴォーやベル・エボックの代名詞として、現代の我々にもかの時代への憧れを喚起してやまない。このコーナーでは、ミュシャの代表的なポスターとともに、サラ・ベルナールのイニシャルのついたコート架けや肘掛け椅子を展示します。


Z パリの高級産業

Z パリの高級産業:Industre du luxe à Paris
本展の最後では、技術的な側面から作品を紹介します。アール・ヌーヴォーは、イギリスのデザイン運動に端を発し、ベルギー、オーストリアはじめ全ヨーロッパ、そしてティファニーに代表されるようにアメリカにおいても流行し、欧米を席巻した様式です。各国それぞれが、独特の様相をもっていますが、フランスのアール・ヌーヴォーの特色ともいえるのが、高級工芸産業と結びついた発展でした。ガレ、ラリック、マジョレル、ギマールなど傑出したデザイナーが新鮮なデザイン原理を持ち込み、近代の高級産業として花開いたのがパリのアール・ヌーヴォーなのです。


「住まわれる装飾空間」 ―邸宅におけるアール・ヌーヴォーとその意味―  遠藤 望(世田谷美術館企画担当課長)
「アール・ヌーヴォー」は、アルフォンス・ミュシャ、エミール・ガレ、ルネ・ラリック、ティファニーといったきらびやかな名前とともに、いまやすっかり私たちに馴染み深いことばになった。フランスのみならず、発祥の地であるイギリス、そしてベルギー、オーストリア、アメリカなど各国の現象が日本でも展示されてきたし、またこの魅力的なスタイルとその作家に限定した美術館も日本の各地で活動している。しかしながら、アール・ヌーヴォーという美の本質は、まだまだ捉え難いものであることもまた事実であろう。それは、この芸術の地理的な広がりがあまりに広範囲であり、ジャンルも、建築、絵画、彫刻、工芸、デザイン、フアッションと多岐にわたりながら、その出現と退潮があまりにも急速であったために、私たちにとっては前後の美術思潮とうまく接合しないということがその理由ではないだろうか。本展は、オルセー美術館のコレクションから、パリで展開したアール・ヌーヴォーを工芸品によって展示しようというものである。高度にエレガントな工芸技術の展開は、木工芸、金銀細工、七宝、陶芸それぞれの分野で多種多様、複雑をきわめている。アール・ヌーヴォーは、生活の美、用の美をめざした総合芸術であるという。19世紀末の美学が目指した「芸術の統合」は、建築と室内装飾において最も顕著に現われた。このことから、この企画では改めて、そのものの置かれた環境から世紀末パリのアール・ヌーヴォーを捉えなおしてみたいと思う。これらの家具、テーブル・ウェア、宝飾品は、どのような環境の中に置かれ、またどのような人々の手にとられたのであろうか。


関連イベント
記念講演会
日時:9月20日(日) 14:00-16:00 (13時半開場)
「絵画にみる室内空間-印象派からアール・ヌーボーへ」 
講師:三浦 篤氏
(東京大学教授)

日時:9月27日(日) 14:00-16:00 (13時半開場)
「世紀末パリの音楽空間-象徴派とアール・ヌーヴォーに彩られた日々」 
講師:鶴園 紫磯子氏
(桐朋学園大学講師、ピアニスト)
*会場:美術館講堂
「参加料」無料 「定員」150名 「申込方法」当日10時より整理券配布・先着順 手話通訳付


*巡回情報「長崎県美術館」 2009/12/11-2010 2/28
〒850-0862 長崎県長崎市出島町2-1


お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:http://www.orsay2009-10.jp
美術館公式サイト:http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
主催:世田谷美術館、オルセー美術館、読売新聞社
後援:外務省、フランス大使館、TOKYO FM
協賛:大日本印刷
協力:エールフランス航空、日本航空、ゲラン、ヴランケン・ジャパン、アットアロマ


参考資料:Press Release、カタログ他。
※写真撮影は全て、主催者の許可を得て行っております。

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